「筆順指導の手びき」(「本書のねらい」等を引用)

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昭和33年に文部省が作成した「筆順指導の手びき」の一部を引用しています。原文のままです。

1.本書のねらい

 筆順とは文字の形を実際に紙の上に書き現わそうとするとき、一連の順序で点画が次第に現わされて一文字を形成していく順序であると言えよう。

 筆順は、全体の字形が、じゅうぶんに整った形で実現でき、しかもそれぞれの文字の同一の構成部分は、一定の順序によって書かれるように整理されていることが、学習指導上効果的であり、能率的でもある。このことは、漢字ばかりではなく、かな、ローマ字等についても、同じことが言える。

 漢字の筆順の現状についてみると、書家の間において行われているものについても、通俗的に一般社会に行われているものについても、同一文字に2種あるいは3種の筆順が行われている。特に楷書体の筆順について問題が多い。

 このような現状から見て、今後教育における漢字指導の能率を高め、児童生徒が混乱なく漢字を習得するのに便ならしめるために、教育漢字についての筆順を、出来るだけ統一する目的を以て本書を作成した。本書においては、とりあえず楷書体の筆順のみを掲げたが、楷書体の筆順がわかれば、行書体についても、おのずとそれが応用され得ると思われる。

 もちろん、本書に示される筆順は、学習指導上に混乱を来さないようにとの配慮から定められたものであって、そのことは、ここに取り上げなかった筆順についても、これを誤りとするものでもなく、また否定しようとするものでもない。

2.筆順指導の心がまえ

 筆順指導は、本書において述べる筆順の原則の上に立って行われるようにしたい。そのことのためには、まず筆順の原則をじゅうぶんに理解させながら、書写指導を行うことが望ましい。

 筆順指導に当たっては、次に記す事項に留意して、その指導の徹底を期するようにしたい。

  1.  筆順は、一応社会的な習慣として成立している面もあるが、これに書写指導の教育的な観点も考え合わせて、一定の筆順によって指導することが望ましい。
  2.  筆順は、点画が順次重ねられて一文字を形成していく順序であると考えられる。したがってその指導に当たっては、どのような点画が、どのように順次重ねられていくのかの過程を、理解させることがたいせつである。
  3.  筆順指導の基本となるものや、筆順が複雑なものについては、特に正確さをねらって理解させることが、その後の指導にとっても効果的である。
  4.  低学年や遅進児の指導に当たっては、筆順指導の基本的なものについて、その理解と習熟をはかることが望ましい。
  5.  筆順指導のために、特に多くの時間をさくことは必要としないが、既習の文字との連関をじゅうぶんに考慮して、計画的・系統的に行うことが望ましい。
  6.  筆順指導を読解指導と同時に行うことは、読解指導にも、筆順指導にも、かえってその徹底を欠くきらいがあるから、このことは避けるべきである。
  7.  教師の板書は、つねに定められた筆順によって書くようにしたい。

3.筆順指導の計画について

 このことに関して、現行の「小学校学習指導要領 国語科編(昭和26年度改訂版)の第3章、国語科学習指導の計画の第3節国語能力表の中に、書くことの能力(書き方)として、次のように掲げられている。
(略)

4.本書の筆順の原則

 本書の筆順は、以下に述べる大原則1,2およびさらに細部にわたる原則1から8によって、整理した。なおそのほかに、広く用いられる筆順が2つ以上あるものに関しても、本書の態度を明らかにした。

(略)

5.本書使用上の留意点

 本書の使用に当たって留意してほしいいくつかの事項を次に掲げる。

  1.  本書に取り上げた筆順は、学習指導上の観点から、一つの文字については一つの形に統一されているが、このことは本書に掲げられた以外の筆順で、従来行われてきたものを誤りとするものではない。
  2.  本書に示されたものは、楷書体の筆順であるが、行書体では一部筆順のかわるものもある。その場合でも、新字体から著しくかけ離れた形のものは望ましくない。
  3.  原則では、当用漢字別表(いわゆる教育漢字)の全てを例としてはあげてないが、他の文字の理論的な面については、原則および一覧表とを考えあわせて類推理解することができる。
  4.  本書は字体の手びきではない。したがって本書においては字体の問題を解決しようとはしていない。
  5.  当用漢字別表の漢字以外の当用漢字についても、原則や一覧表によって適正な筆順を類推することができる。
  6.  本書の原則において取りあげている点画の名称は、次に示すとおりである。
    ・点(てん)
    ・横画(よこかく・おうかく 「横」(横) 「よこぼう」)
    ・縦画(たてかく・じゅうかく 「縦」(たて) 「たてぼう」)
    ・左払い(「人」の第1画目に相当する画で、方向・長さにはいろいろある。)
    ・右払い(「人」の第2画目に相当する画で、方向・長さにはいろいろある。)
  7.  その他、次の名称も適当に取り入れて説明指導することが良い。
    (※字形の図は省略しました)
    ・(折れ)
    ・(はね)
    ・(とめ)
    ・(曲がり)
    ・(はらい)
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漢字は、筆画(点・横棒・縦棒など)を組み合わせて造られています。この筆画を組み合わせていく順序が「筆順」です。(分かりやすく「書き順」と呼ばれることもあります)
このホームページでは、日本において一般に通用している「筆順(書き順)」をアニメーションを使って紹介しています。
※ 日本漢字能力検定を受験される方は、「採点基準」をご参照ください。
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